Vol.4 加算方式とは?
埼玉県公立高校入試は、「学力検査+調査書」を得点化し、合計点の高い受験者から合格させていく、加算方式と呼ばれる合否判定方法です。まずは学力検査の特徴から見てみます。
- ①.試験科目:5教科(国・数・英・理・社)
- ②.試験時間:1教科50分
- ③.満点:100点(5教科で500点満点)
- ④.記述問題の割合が高く、部分点もある
- ⑤.上位校の数学と英語は「学校選択問題」という難易度の高い問題が出題される(国・理・社は全県共通)
もちろん100点満点を取る必要はないです。自分が受験したい高校の合格点数を目指せば良いのです。ただ、当日の学力検査の点数と合わせて、調査書が大事になってきます。
教科 | 英語 | 数学 | 国語 | 理科 | 社会 |
---|---|---|---|---|---|
記述問題の割合 | 58% | 95% | 64% | 68% | 52% |
平均点 | 57.9点 | 51.1点 | 57.9点 | 39.2点 | 63.7点 |
浦和高校の例を見てみましょう。
学力検査は「学校選択問題」実施校ですが、他の高校と同じように500点満点です。調査書は、評定が180点満点です。この評定に関して説明します。高校によって中1~3の評定を見る割合が決まっています。浦和高校は1:1:2です。
表にするとこんな感じです。
学年 | 中1 | 中2 | 中3 |
---|---|---|---|
割合(浦和高校) | 1 | 1 | 2 |
「ALL5」の生徒 | 45 | 45 | 90(45×2) |
満点 | 180 |
高校によって、評定の見方は「1:1:2」「1:1:3」「1:2:3」「2:2:3」などあります。高校がどういった割合で評定を見ていくのかという「各高校の選抜基準」は、県の教育委員会のHPから確認できます。※2018年度入試のものは、2017年4月17日現在、まだ掲載されていません。7月くらいを目途に掲載されます。
話を元に戻します。浦和高校の例では、評定の他に「特別活動等の記録」「その他」の項目が各70点です。評定の180点と足して、調査書の点数はここまでで320点となります。この点数に対して、高校が好きな定数を掛けることができます。浦和高校は320点に対して1.4を掛けますので、調査書の満点が334点になるのです。
学力検査の500点と調査書の334点を合計すると834点満点。入試の際にはこの834点に近い受験生から順に合格をさせていきます(第1次選抜に対しての例であり、2次選抜は多少異なります)。
各校の選抜基準
浦和高校 一般募集 合計834点(満点)
学力検査の得点 | 調査書の得点 |
---|---|
1教科 100点満点× 5教科(国・数・英・理・社) |
①学習の記録の得点(180点) |
②特別活動などの記録の得点(70点) | |
③その他の項目の得点(70点) | |
100点×5教科 500点(満点) | (①+②+③)×334/320※(334点) |
浦和第一女子高校 一般募集 合計835点(満点)
学力検査の得点 | 調査書の得点 |
---|---|
1教科 100点満点× 5教科(国・数・英・理・社) |
①学習の記録の得点(180点) |
②特別活動などの記録の得点(120点) | |
③その他の項目の得点(35点) | |
100点×5教科 500点(満点) | (①+②+③)×335/335※(335点) |
まとめ
調査書の点数が「1」違うと、当日の点数で「5点」分くらい異なると、ある高校の先生からはお聞きしています。
調査書の点数が低ければ学力を上げて5点分を補えば良いですし、学力が志望校に対して不足する場合には、中1~3の学校生活が大切になります。どちらも大切ですね。