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桶川東口校コラム 漫画で歴史を学ぼう! 第5回『アンゴルモア』

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漫画で歴史を学ぼう! 第5回『アンゴルモア』

みなさん、こんにちは。社会と漫画を愛するサイエイDuo桶川東口校の竹下が、日本と世界の歴史をマンガでめぐって行こうという企画の第5回目です。

今回は、アニメ化と、第一部完結のタイミングということで、13世紀の「元寇」をあつかった活劇漫画『アンゴルモア』を取り上げて、モンゴル帝国対馬についてまとめてみたいと思います。

  • 作品名:『アンゴルモア 元寇合戦記』たかぎ七彦(角川書店・2013年~・1~10巻)
  • 時代区分:鎌倉時代中期の対馬

学習ポイント:モンゴル帝国まとめ・対馬の「宗氏」について

鎌倉幕府執権の北条時宗と、有力御家人の少弐景資は、モンゴル帝国の日本襲来が近いことを予見し、正規の援軍を差し向けられない中、曲者ぞろいの流刑者の一群を対馬に送ることにした。その中の一人が二月騒動で謀反人に落とされた凄腕の鎌倉武者、朽木迅三郎光影であった…。

といった感じで始まります。この漫画の魅力の一つはアクションの格好よさです。主人公の朽木がムチャクチャ強い、「義経(ぎけい)流」という剣術の使い手という設定で、小兵の朽木が飛んだり跳ねたりして、モンゴル兵や高麗兵をバッタバッタと切り伏せていくのは爽快です。

第一部完結の時点でもまだ明らかになっていませんが、モンゴル軍側にも「義経流」の使い手が出てきます。ここでポイントとなるのが「義経=チンギス・ハン説」です。史実では源平合戦の英雄、源義経は兄の頼朝と反目し、奥州藤原氏を頼って平泉に落ち延びますが、頼朝の圧力に負けた藤原泰衡に攻められ衣川の戦いで自害したことになっています。ところが、「判官びいき」という言葉があるように、悲劇のヒーローが好きな日本人は、義経が逃げ延びて大陸に渡り、ついにはモンゴルの英雄、チンギス・ハンになったという説が信じられてきました(これは義経だけでなく、西郷隆盛にも同じような説があります。そちらは別の機会に)。どうやら「アンゴルモア」でもこの説を採用しているようです。「義経=チンギス・ハン説」でモンゴル帝国成立を描いている作品としては連載中の瀬下猛の『ハーン ‐草と鉄と羊‐』(これはいずれ別の機会に)や、古くは「ベルセルク」の三浦健太郎の『王狼伝』などがあります。

本作で対馬に上陸してきたモンゴル軍には、モンゴル人・女真族(中国東北部の遊牧民族)・高麗人など幾つもの民族が入り交じっています。モンゴル帝国は逆らう国家や都市は皆殺しにしますが、従う者には比較的寛容でした。高校入試的には高麗は征服されたが滅ぼされなかったことを覚えておきましょう。古い言葉に「ムクリコクリ」という言葉があり、「恐ろしいもの」を意味しますが、語源は「蒙古・高麗」だと言われています。元寇のうち第一回目の「文永の役」(1274年)の主力はモンゴル軍と高麗軍だったようです。

チンギス・ハン自身の活躍については、伊藤悠の『シュトヘル』などがあります。モンゴル平原の諸部族を統一し、女真族の「金」王朝、契丹族の「遼」、タングート族の「西夏」など東アジアから中央アジアに領土を拡大しました。彼の死後、四人の息子がそれぞれの国(最近は「ウルス」と言います。)を拡大していきます。大学入試的には、チンギスの孫バトゥがポーランドまで侵攻し、ヨーロッパ勢を壊滅させた「ワールシュタットの戦い」(1241年)などが有名です。各ウルスをまとめる、モンゴル帝国の第5代「大ハーン」となったのがフビライです。フビライが1271年に国号を「元」としたときには、まだ宋(南宋)を征服する前だったことを覚えておきましょう。ですから文永の役では高麗軍主体で、「弘安の役」(1281年)から漢民族が主体となります(南宋の征服が1279年)。

「アンゴルモア」のほとんどは対馬での攻防ですが、対馬を支配していた「宗氏」は受験的にも重要です。朝鮮半島と九州の間に位置するため、対馬は日本の幕府と朝鮮の王朝の両方のバランスを取った外交を行っていました。本作でも最初、宗助国は外交によりモンゴル軍の上陸を避けようとしました。元寇以降も宗一族は滅びず、バランス外交を行っていきます。豊臣秀吉の朝鮮出兵(1592~98年)では、小西行長らとともに和平交渉を行っています。また、江戸時代に入っても対馬藩は「朝鮮通信使」の接待役を担当していました。その特殊性から対馬藩は参勤交代が3年に1回と優遇されていました。幕末にはロシア軍艦ポサドニック号が対馬に不法駐留し、イギリスの抗議で撤収した事件もありましたが、これは大学入試レベルですね。

第一部完なのに、まだ顔見世程度なのが8代目執権の北条時宗です。「アンゴルモア」での描かれ方は、美形の陰謀家といった感じで、NHK大河ドラマ原作の髙橋克彦の『時宗』なんかとは異なります。鎌倉時代の時代の流れは「時政」「泰時」「時宗」の三人の執権の業績で把握するとまとめやすいです。

鎌倉時代 政治史まとめ
北条時政(初代執権) 源頼朝の舅として源平合戦に協力 全国に守護・地頭を設置(1185年) 政所別当に就任 
 奥州征伐で奥州藤原氏を滅ぼす(1189年) 有力御家人を排除して執権体制を固める
 源氏将軍が3代目で途絶える。
北条泰時(3代執権) 承久の乱の鎮圧(1221年・正確には2代義時の時代) 六波羅探題の設置 御成敗式目の制定
北条時宗(8代執権) 元寇の対応 文永の役(1274年) 弘安の役(1281年) →恩賞の無い御家人の救済のため
「永仁の徳政令」(1297年・正確には9代貞時の時代)

とまとめられます。その後は、後醍醐天皇の討幕運動(~1333年)をおさえておけば鎌倉時代の政治史は十分だと思われます。高校受験では政治史以上に鎌倉新仏教が頻出しますので、そちらは六宗派の開祖と宗派名を完全に暗記しておきましょう。

繰り返しますが「アンゴルモア」第一部は完結しました。しかし最後があんなだったので非常に続きが気になります。第二部「博多編」での北条時宗らの活躍を期待して待ちたいと思います。

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